コロナ共生時代の新しい大学進学を考える

子どもたちが考える力、対話する力、創造する力を教育の中で身に付けるにはどうすればいいのかを考えていきます。特にコロナ禍で一気に加速するオンライン教育についても取り上げます。タイトルは仮。大学の募集と教育についてのコンサルを行っている株式会社シンクアップのブログです。

2020年07月

「秋学期以降の15のシナリオ」を翻訳・掲載しました | お知らせ | 大阪大学 全学教育推進機構 教育学習支援部
原文



日本でも大学でのクラスターが各地で広がっています。
感染者は増えていますが、重症化率は下がっているので世間はやはり大都市圏を中心に緩んでいるように見えます。もちろん大きな口では言わないので建前が多くなっているように思います。
一方、地方では都市圏からの移動はたとえ帰省であっても周りの目を気にして許さない雰囲気もあります。日本では夏休み、そしてお盆のシーズンを迎えるわけですが、このどうしようもないやり場のないムードは精神的によくありません。
それぞれが自分自身のストレスチェックをしないと気が付かないうちに精神を病んでしまいます。イライラしたり周りに当たったりということがあったら要注意です。
さて大学キャンパスがクラスターになりやすいのは素人にもわかります。現代において集団という言葉は学校のためにあるような言葉ですから。毎日集積しては拡散する行動、休みの度に地方に分散していくという行動パターンはウイルスにとっては理想的なモデルと言えます。
だからこそ大学はしっかりと感染拡大防止の対策を取るべきですし、いくつかのシナリオを立てて今後を予測していく必要があります。
だから大阪大学によって翻訳されたこの「学期以降の15のシナリオ-ソーシャル・ディスタンス時代における高等教育- エドワード J. マロニー(オハイオ大学州立大学)&ヨシュア キム(ダートマス大学)」はとても参考になると思います。 15ものシナリオが考えられています。
15のモデル(詳しい説明は上記リンクから
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1. 通常への回帰モデル(Back to Normal)
2. 授業開始延期モデル(A Late Start)
3. 来年度春学期移行モデル(Moving Fall to Spring)
4. 1年生限定モデル(First-Year Intensive)
5. 大学院生限定モデル(Graduate Students Only)
6. 大規模ギャップイヤーモデル(Structured Gap Year)
7. 絞られたカリキュラムモデル(Targeted Curriculum)
8. 分割カリキュラムモデル(Split Curriculum)
9. ブロック・プラン(A Block Plan)
10. モジュール制(Modularity)
11. キャンパス滞在+バーチャル学習モデル(Students in Residence, Learning Virtually)
12. 低滞在時間モデル(A Low-Residency Model)
13. ハイフレックス・モデル(A HyFlex Model)
14. 修正版チュートリアル・モデル(A Modified Tutorial Model)
15. 完全な遠隔教育モデル(Fully Remote)

さて
もう一つ忘れていけないのは大学は研究機関でもあるということです。地域にあって知の集積があるところです。まさに『知の拠点・地の拠点』です。著者の一人ヨシュア・キム先生のダートマス大学は地域に根差した大学として有名です。(CCRC:Continuing Care Retirement Communities)


日本版のCCRC構想が打ち出されてからだいぶ経っていますし、最近は耳にしなくなりました。ここいらで注目されてもいいと思います。医療だけでない生涯学習などの豊かな老後を送るための町つくりです。その中で大学が中核となるという構想です。


昨年12月に開催された「世界に羽ばたく高校生の成果発表会」の様子。
将来の夢を切り拓く“高大連携”を開催 | トピックス | 九州大学(KYUSHU UNIVERSITY)

新しくなった伊都キャンパスで開催されました。
とてもいい高大連携プログラムだと思います。
実は株式会社シンクアップでは昨年九州大学がホスト校になって開催されたQS APPLE 2019の裏方として2度福岡に行きました。移転した新しい伊都キャンパスも見てきました。学内に自動運転の無人バスが走ってました。行きは電車で帰りは高速バスでしたが遠かった印象です。 その時はまさか鹿児島に支社を作るとは思ってもいませんでした。運命の糸とは本当に不思議です。また九大もいくことになるのだろうと思います。鹿児島からだと九州新幹線で1時間ちょっとです。


実は『数学ゴールデン』の作者は鹿児島の元高校の数学の先生です。数学オリンピックを目指す高校生の物語です。舞台が福岡の二番手の県立高校なのですが、九州大学伊都キャンパスまで自転車で行くシーンが出てきます。研究室を借りて開かれている数学の特訓セミナーに車に乗せてもらえなかった主人公が自転車で行くという設定です。

昨日2017年にSSH(スーパーサイエンスハイスクール)に選定された鹿児島県立錦江湾高校が中間評価において優秀校6校として発表されたことを書きましたが、今回は2018年選定の鹿児島県立国分高校の話題です。コロナの影響で発表の場の確保に苦労しているようですが、霧島市にプレゼンが行えたようです。新しいツアーを提案やハザードマップを確認できるアプリの開発などが提言されたようです。
詳しい内容が気になります。サイエンスでツアーですから自然に関するものでしょうか。
<追記> 記事をよく読むと「霧島市が運行している周遊観光バスの乗車率を上げるため、外国人向けなど新たなツアーを提案する班」とありますね。気になったので調べてみました。
鹿児島県立国分高等学校

ホームページに発表会の詳しい様子が書いてありました。
ついでに数学検定のニュースもありました。
明日(7/11土曜日)の数学検定と土日月の予定についてhttp://kokubu.edu.pref.kagoshima.jp/article/2020071000332/
理数教育に力を入れている様子がわかります。

<追記>
国分高校SSH通信第15号が見つかりました。
http://www.edu.pref.kagoshima.jp/sh/kokubu/docs/2018112800027/file_contents/SSH201915.pdf

上記国分高校SSH通信第15号から
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九州大学「世界に羽ばたく高校生の成果発表会」
2019年10 月 19 日(土),九州大学が行っている「世界に羽ばたく高校生の成果発表会」に参加しました。本発表会は,人文社会系,理工系,生物系,複合系の4分野の括りでポスターセッションを行う大会で,文系生徒が発表する貴重な機会ともなっています。九州・山口地区のSSH校・SGH校・SPH校や,九州大学未来創生科学者育成プロジェクト(QFC-SP)校を中心に毎年多くの参加がありますが,昨年度の発表本数 66 本に対し,今年度は 126 本とほぼ倍増し,高校生の探究活動が浸透しつつあることを窺わせます。本校は,昨年度の4班に対し,本年度は理数科6班と自主ゼミ7班の計13の研究班が参加しました。

九州大学がこういうイベントを行っているのですね。素晴らしい。

kokubuh

平成29年度に選ばれたスーパー7サイエンスハイスクールの中間評価が発表されました。<br>
↓<br>
SSH中間評価(平成29 年度指定)の結果について<br>
以下の6校の取り組みが最も優れた取り組みとして評価されています。その中で鹿児島県立錦江湾高校が選ばれていることをうれしく思います。<br>
・「優れた取組状況であり、研究開発のねらいの達成が見込まれ、更なる発展が期待される」(6校)<br>
〈学校名〉<br>
福井県立若狭高等学校<br>
兵庫県立加古川東高等学校<br>
岡山県立玉島高等学校 <br>
岡山県立津山高等学校<br>
広島県立西条農業高等学校 <br>
鹿児島県立錦江湾高等学校<br><br>
鹿児島県立錦江湾高等学校 | 鹿児島県立<br>

コロナ禍での授業の違いが「大学・学部の人気の差に」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
各大学では新型コロナ対策として、オンライン授業を実施するために緊急の学生支援をしてきた。パソコンやWi−Fi機器などの無料貸し出しや、インターネット環境の整備のための給付金などだ。  

文部科学省の調査によると、授業を実施している大学のうち遠隔授業のみが59%、遠隔と対面の併用が31%。9割もの大学が遠隔授業を実施している状況だ。対面授業の全面的な再開の時期については、半数以上の大学が「検討中」と回答している。

※週刊朝日  2020年7月24日号より抜粋
shuukanasahi
対面授業再開の動きが加速していましたが、7月に入り、第二波が心配される今の状況では大学は非常に悩むところです。感染者が一人でもでればキャンパスを閉鎖せざるをえない今の状況では、後期もオンライン授業を中心にせざるをえないのではないでしょうか。
オンライン授業に取り組んでみて、多くのメリットがあることがわかってきています。この際、更なるレベルアップを目指してこれからの大学教育の形を模索していこうと積極的に取り組む大学の方が有利な気がします。
私たちもインタビューを通してオンライン教育の可能性と課題を探っていこうと考えています。
まずは視点の整理から始めます。
この記事から考えられるポイントをランダムに
1.学生のオンライン環境を整備するための大学の補助
2.オンライン授業の補助スタッフ
3.授業以外の学生の交流をどう作るか
プラス
4.対面とオンラインの効果的なブレンド法は?
5.オンライン授業に向く授業と向かない授業
6.集中できる時間配分
7.教員の準備と実施における負担と疲労
8.向く学生と向かない学生
9.学生のネットリテラシーとネット環境、経済負担

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